日本の祭りレポート
しんじょうまつり
これは未曽有の飢饉によって打ちひしがれた領民を奮い立たせるために藩主が始めた祭りです。その飢饉がいかに悲惨だったかを伝えるものとして接引寺に「まかどの地蔵」があります。いまでも餓死者の供養に地蔵にぼた餅を食べさせる風習が残っているのです。
8月24日から26日、各町は20台の山車を繰り出し、町は祭り一色。25日の「本祭り」は、午前9時ごろ旧新庄城跡の天満宮のご神体が神輿に遷されて、毛遣りや挟箱を担いだ奴、馬に乗った神主、町奉行や徒歩目付、弓組、鉄砲組に警護されて神幸。見どころは囃子と山車とそれに載る人形です。その輝きと艶は陸奥の晩夏を染めあげます。これぞ風流の極み。
【取材・文:苦田秀雄】
毎年8月24日~26日に開かれ、3日間で数十万もの観覧客が集う「新庄まつり」。歌舞伎や歴史の物語を再現した絢爛豪華な20台の山車(やたい)が町を練り歩きます。本まつりでは神輿渡御が行われ、最終日のカモシカを模した「鹿子踊」と「飾り山車」でまつりは幕を閉じます。