日本の祭りレポート
やまあげまつり
「山あげ祭」は市内の道路を歌舞伎の舞台にしてしまう奇抜なもの。舞台の奥行きほぼ150メートル。そこに背景となる3つの「山」を立てあげるところからこの名がつきました。「山」には背景として滝や山などが描かれています。祭り行列が所定の場所にくると、若衆らが道路で一斉に舞台の組み立てを始めるのです。芝居は町内各所で演じられます。地域の人たち素人歌舞伎です。役者が演じ、鐘・太鼓・笛が囃し、三味線の演奏で大夫が常磐津を唄い、風で柳が揺れるシーンではその木を手で揺さぶったり、奥では山の書き割りをセッセと模様変化させたり、滝を流し、花火やスモークをたいたり、市民あげての祭りには驚くばかり。
【取材・文:苦田秀雄】
山あげ祭の奉納余興は、日本最大級の野外歌舞伎舞踊です。奥行き100メートルに及ぶ大掛かりな舞台装置を道路に据え、常磐津の三味線や唄に合わせて地元の踊り子が演じます。演目の進行に合わせて変化する舞台背景や若衆の一糸乱れぬ動きは見所のひとつです。高さ10メートルを超える大山をあげる様子は圧巻で、祭りの由来になっています。