日本の祭りレポート
ほしじんじゃのおゆみまつり
これは五穀豊穣と悪魔祓いのために12人の射手が1日中、延々1008本もの矢を放つ神仏合体の奇祭。12人は薬師如来十二神将とされ、それはバザラ・アニラ・ハイラ・ビギャラ・マコラ・クビラ・ショウトラなど。弓射は17メートルの距離から1.2メートル角の障子紙に書かれた3重丸のマトを射る「三度弓の儀」に始まり、「千八筋」「ナマヤ」などの儀例弓射、特殊な姿勢の「割膝」「投げ出し」と続きます。見事マトに当たれば家族数人が射場に躍り出て抱きあって射手の青年をもみくちゃにします。「練り」です。最後は「毘沙門の的」で、主川と谷川それぞれ6人の勝負。それは3重丸を射て点数を競うもので、谷川が勝てば豊作とされる占い。延喜12年(912)から1000年以上にわたり、これほどの山の中に継承されている奇跡に驚きます。
【取材・文:苦田秀雄】
千年の歴史を伝える星神社で1月8日、2年に一度の「お弓祭り」が勇壮に行われます。元旦の朝から神社の下を流れる奈半利川で厳寒の中、禊を続けてきた村の若者12人が、豊作・悪魔退散を祈願し千八筋の矢を放ちます。矢が的に当たれば祝いの「練り」が始まり、境内の酒宴は大いに盛り上がる豪快で楽しい土佐の祭りです。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り