日本の祭りレポート
おきつはちまんぐうしゅうきたいさい
高知県四万十町興津は中村街道からくねくねと細い急坂を下りきった太平洋に面した古い港町。沿岸に沿って走る道はありません。よって交通のほとんどが舟運という地勢。
祭りは500年にわたってこの漁港で紡がれてきたもので、神輿と宮舟がせめぎあう珍しい形をとります。神輿は農業を生業とする郷分地区、宮舟は漁業の浦分地区の出しもの。両者は白砂青松の浜辺でバトルをくり返します。宮舟が神輿を追いかけ、ときにはぶつけあい、神輿が無事神社に逃げ帰れば豊作、宮舟が神輿の鳳凰を落せば豊漁が約束されるということ。両者は激しくせめぎあいながら神社に戻り、ふたたびバトルを。取材の年、神輿が無事社殿に逃げ帰り、祭りは終わりました。どうやら来年は豊作です。
【取材・文:苦田秀雄】
その年の豊漁と豊作を占う祭りで、祭神を慰め感謝し、氏子の無病息災、五穀豊穣、漁獲豊漁などを祈願します。見所は、宮舟と神輿の勇壮なぶつかり合いで、漁師の担ぐ宮舟が神輿を突くと豊漁、農民の担ぐ神輿が逃げ切れば豊作とされています。400年以上の歴史があり、高知県無形民俗文化財に指定されています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り