日本の祭りレポート
ふじのもりまつり かけうましんじ
今や地球上でこのような技を見せるのはこことモンゴルの一部といいます。藤森神社の参道馬場で手綱潜り、逆乗り、矢払い、横乗り、逆立ち、藤下がり、一字書きの技が披露。乗子は練習することなく、ぶっつけ本番。それが彼らの心意気。馬場は一の鳥居から拝殿までの180メートル一直線。馬上の所作は戦の実戦的な騎乗訓練であり、いかに技を美しく神様にみせるかが大切なのです。特に難しいのは、一字書きで、それは馬上で「寿」や「馬」の文字を反転させて書くもの。これは敵方の陣形などの情報を味方に伝達するため、馬上で形や文字をしたためる技。矢払いは四方から飛んでくる敵の矢を刀で打ち払う技です。
【取材・文:苦田秀雄】
京都市登録無形民俗文化財の藤森祭 駈馬神事は、毎年5月5日、藤森神社で公開されています。氏子が馬場を疾走し、馬上で一字書き・藤下がり、他数種の技を奉納します。神社の言い伝えによれば、起源は781年、早良親王の陸奥征討の擬勢で、室町・江戸時代は、武官・馬術指南役が、明治より氏子によって公開保存する1200年の伝統神事です。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り