日本の祭りレポート
こっとのさんばそう
江戸中期、忽戸地区大変な干ばつに見舞われ、村人は奈良の春日大社から三番叟を教わりました。忽戸でそれを奉納すると雨に恵まれ、命をつなぐことができたとか。以来これは雨ごいの祭り、命をつなぐ、生きるための舞として大切に伝承されてきたのです。舞は「翁の舞」、「三番叟」、「千載」があり、舞い手は子どもが中心。彼らは師匠から指導を受けます。師匠は尋ねます。“生きていくのに大切なことは?”。彼らは“食べること”と答えます。さらに“食べるのは?”、“お米”、“お米に必要なものは?”、“水”、“水を得るには雨が必要”といった具合です。だから子供たちは「忽戸の三番叟」は生きるために雨を呼ぶ祈りであるということを教わるのです。
【取材・文:苦田秀雄】
昔、房州が干ばつに襲われ、忽戸の村人は、村の氏神・荒磯魚見根神社の本社の奈良の春日大社に雨乞いのお願いに行き、神の能の舞三番叟を伝授され、村の氏神に奉納し干ばつを救いました。以来、忽戸の人々は三番叟を神の舞として崇め、毎年氏神に奉納しています。選ばれた三役は、精進潔斎し、華麗な舞を披露します。