日本の祭りレポート
かなざくらじんじゃ・しゅんきれいたいさい
この神社は日本一の峡谷美を誇る昇仙峡の上の金峰山を御神体とし、その中腹に鎮座する里宮が神楽の行われる金櫻神社。御神宝はこの一帯から採れる水晶。水源信仰の地です。神社に向かう200段以上の急な石段を登れば御神木の金櫻(鬱金の櫻)がお出迎え。2024年4月27日、それは枝がしなるほどの大満開。参拝すれば金運に恵まれるとか。
拝殿での神事が始まりました。そこで僧侶が拝んだのがとても印象的でした。まさに神仏習合。大々神楽は26演目あり、午前中は天照大神、四弓など。午後は五龍王、大蛇、猿田彦命、偏幣、大山祇命など。鞨鼓、大胴、笛の囃子で舞います。その鮮やかな衣装が新緑に映え、所作は象徴化されたもの。頬をやさしくなでる緑風、四方を取り囲む新緑は山を笑わせ、紅白満開の金櫻、彩色鮮やかな衣装の神楽はあくまでもゆったりと、おだやかなお囃子。これぞ日本の祭りです。
[取材・文:苦田秀雄]