日本の祭りレポート
じんしょおおつなひき
高濃度のラドンを含有するため自然治癒力を高める作用があるといわれる三朝温泉。湯治3日目の朝を迎える頃には病気も全快しているというのが名前の由来です。その三朝温泉でお釈迦様の誕生を祝う「花湯祭り」に催されるのがこの大綱引き。三徳川沿いの温泉本通りに夕刻、東西から担ぎ込まれた綱を中央でかみ合わせ、大勢の引き手と観衆が混然となる中で綱引きが始まり大盛り上がりに。綱に藤カズラを用いるのは珍しく、山の手入れも兼ねているからとか。また長逗留で賭博や酒の騒ぎが絶えなかったその昔、勝負は綱引きで決めて恨みっこなしというのが由来とも聞きます。綱引きは東伯耆(ひがしほうき)に多く見られる厄除け行事ですが、三朝独自の進化を遂げたようです。
取材・文:加藤正明
三朝温泉で毎年5月に開催される「花湯祭り」の最後を飾る伝統的大綱引き。藤カズラで編んだ総重量約4トン、長さ約150メートルの大綱を東西に分かれて引き合い「東が勝てば豊作、西が勝てば商売繁盛」とその年の吉凶を占う伝統行事です。地元住民や観光客も参加してごった返す圧巻の大綱引きは見どころ満載です。(三朝のジンショ:国指定 重要無形民俗文化財)
※出典:ダイドーグループ日本の祭り