日本の祭りレポート
おおじまさんるりじ しゅんきさいてん
これは屋台獅子を引き回すことで五穀豊穣を祈る祭りです。創始は天永3年(1112)。屋台獅子の大きさは高さ・幅がそれぞれ2m、長さ10mの巨大なもの。その中で大太鼓1名、小太鼓2名、笛の吹き手10名ほど、獅子頭の舞い手数名が囃し、獅子を操りながら瑠璃寺の客殿から本堂までの150mの参道を1時間かけて丁寧に進みます。先導は宇天王、ついて歩くのは日吉神社の神の使いの猿。そして稚児行列。
はるか南アルプス連山が雪をいただき、紅白の花が咲き乱れ、源頼朝公寄進と伝わる枝垂れ桜、眼下は信州伊那谷。なんと贅沢な景色なのでしょうか。眠っている獅子を目覚ませ、警護役の鬼が大声で暴れまわって宇天王の登場を促して巨大獅子を制御する。そこにくり広げられる光景は夢か。
取材・文:苦田秀雄
大島山瑠璃寺は、瑠璃寺と日吉神社の神仏混淆の寺社。900年の伝統を持つ獅子舞は、瑠璃寺の本尊である薬師如来の縁日と守護神である日吉神社の春の祭礼に、五穀豊穣・災害消除・里人安穏を祈願して奉納します。獅子舞は、引き役の宇天王が暴れる獅子を制しながら本堂まで先導します。信州伊那谷の屋台獅子の源流とされています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り