日本の祭りレポート
けんのつかいなりじんじゃなつまつり
剣柄稲荷神社は古墳の上に鎮座する古社。祭りは江戸時代、交易で財をなしたこの地の豪商たちが上方から持ち帰ったもので、大阪・堺の「百舌鳥八幡宮」のだんじりが起源といいます。4人の稚児が乗り込んだ太鼓台はヨイマカと呼ばれ、発する掛け声「ヨーイマカ!(よろしく通り申せ)」で担ぎ手たちが息をあわせます。太鼓台は「荒業(あらわざ)」と称してわざと地面に叩きつけられたり、逆さにされたりするので、幼い稚児たちはもみくちゃになりながら一心不乱に太鼓を叩きます。注目は祭り二日目、神社に還ろうとする神輿とそれを阻止したい太鼓台のせめぎ合いです。神様の遣いという役目をまっとうしようとする健気な稚児たちに、声援がとびます。
取材・文:加藤正明
祭りの主役はご神体を乗せた神輿と「ヨイマカ」と呼ばれる太鼓台。太鼓台には4人の稚児が乗って太鼓を打ち鳴らします。祭りのハイライトは、大将軍神社から剣柄稲荷神社へ戻ろうとする神輿を、ヨイマカが帰すまいと激しくせめぎ合う様子。ヨイマカは何度も強く地面に落とされるため、太鼓を叩き続ける稚児たちはヨイマカの柱に括り付けられます。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り