日本の祭りレポート
のばらはちまんぐうれいたいさい
この祭りを担う地区はかつて「野原荘」というひとつの荘園(貴族・寺社などの私的な領地)でした。しかし荘園領主と地頭(幕府の管理人)の間で土地の領有権をめぐって衝突が頻発し、鎌倉時代のあるとき「東郷(宮方)」「西郷(武家)」に分筆。東郷からは風流(ふうりゅう)と呼ばれる悪魔払いの行事が、西郷からは神馬に節頭(神様)を乗せて練り歩く節頭行事が、野原八幡宮の例大祭に奉納されるようになりました。現在の形式は1800年頃以降のものといわれ、どちらの奉納も稚児(神様となった子ども)が主役。野原八幡宮ではひと月早い七五三がこの例大祭にあわせて行われ、晴れ着姿の親子も集います。
※この例大祭の「風流」を含む全国41件の「風流踊」が2022年ユネスコ無形文化遺産に登録
[取材・文:加藤正明]