日本の祭りレポート
おおくにたまじんじゃれいたいさいくらやみまつり
この祭りの渡御は江戸祭祀の原点とされます。スケジュールは4月30日の品川沖での「海上祓式(かいじょうはらいしき)」に始まり、5月2日の「御鏡磨式(みかがみすりしき)」、3日夜の「競馬式(くらべえうましき)」、4日の「御綱掛式(おつなかけしき)」などを経て最終5日の「例大祭」を迎えます。その日は午後2時より「動座祭(どうざさい)」が行われ、府中全市街地は灯りをつけてはならないことになっているのです。別名「くらやみ祭り」といわれるゆえんです。午後8時、祭りの核である「野口御仮屋の儀(のぐちおかりやのぎ)」が行われます。それは大国主命降臨を神事にしたもの。最も見ごたえがあるのは、5日夕方4時ごろの「神輿発御」から7時ごろのお旅所到着までの間でしょう。巨大太鼓の音が腹に響きます。祭りの伝統とチカラを感じます。
【取材・文:苦田秀雄】
4月30日の品川海上禊祓式に始まり、5月6日の鎮座祭まで、期間中、古くからの格式や伝統にのっとった様々な行事や神事が行われます。5月5日に行われる神輿渡御では、八基の神輿が御本殿から御旅所へお移りいただく際、人目に触れないよう暗闇で行われた伝統を持ち、それが「くらやみ祭」と呼ばれている由縁となっています。