日本の祭りレポート
とばのひまつり
大松明に火が放たれ、ネコと呼ばれる奉仕者たちが梯子を登ってガンガンそれを揺すります。火の粉が飛び散り、青竹のはぜる音がすさまじく、彼らは勇猛果敢に襲いかかります。占いの仕方は大松明が2~3割燃えた時点で6月を、半分の時点で9月、7割方燃えた時点で12月の天気を占うもの。それは大松明がよく燃えれば晴天、煙が多いと雨降り、青竹がよくはぜれば雷、風が吹けば台風、2基とも倒れたら地震という見立て。豊穣の勝敗は神前に捧げる神木と12縄を早く取り出したほうが勝ち。福地地区が勝てば豊漁、乾地地区なら豊作で、西側のすずみから早く取りだせば豊作、東なら異変が起きるとも。
【取材・文:苦田秀雄】
鳥羽神明社に、約1200年前から伝えられる鳥羽の火祭り。高さ5メートル、重さ2トンの大松明「すずみ」2基に心身を清めた「神男」が火をつけ、その中にある神木と十二縄を、古い幟で作った衣装をつけた奉仕者たちが競って取り出し、どちらの「すずみ」から早く取り出されるかによってその年の豊凶を占います。