日本の祭りレポート
あばれまつり
能登半島にはキリコ(正式名称:切子灯籠)と呼ばれる巨大な御神籠が繰り出す祭りが約二百あるといいます。能登町・宇出津(うしつ)のあばれ祭はその先頭を切って催されるもので、大松明が燃えさかる広場に集結した約40本のキリコが火の粉を浴びながら威勢よく乱舞する初日と、二基の神輿をこれでもかというくらい手荒く扱い、最後は川に突き落とし火に投げ込んでしまう二日目とで構成されます。天然の良港で物流の拠点でもあったこの地は行きかう人の多さゆえ疫病流行も多く、350年前、京都の祇園社から牛頭天王(素戔嗚尊)を招いて悪疫を鎮めたのが祭りの起源。荒ぶる神スサノオノミコトはもちろんのこと、今や見物の主流インバウンド勢も大満足間違いなしの迫力。
取材・文:加藤正明
能登のキリコ祭りの先陣をきって行われる2日間の祭り。初日、火がついた大松明の周りを、大小約40本のキリコが太鼓や鉦を鳴らしながら火の粉を浴び暴れまわるように練り廻ります。翌日、神輿は海や川の中、火の中に入れられ、夜には激しさを増し、原形が無くなるまで壊されます。その勇壮なさまから「あばれ祭」の名がつきました。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り