日本の祭りレポート
かぎひきまつり
南国に春を呼ぶ祭りです。祭り当日、山から伐りだした御神木を雄鉤(おかぎ)、女鉤(めかぎ)として結合して引きあいます。これは下高隅(しもたかくま)、上高隅(かみたかくま)地区の対戦で、勝ったほうが豊作になるという占い。
勝負に先立ち、それぞれ重さ1トンを超える御神木を3回地面にたたきつけます。これは「サヨンドシ」といい、大地の霊に「春がきた」ことを告げる呪い。腹に響く音と地響きが祭りの心をかきたて、太鼓の音が血気を誘います。凄まじい引きあいは3回行われ、境内は興奮の渦。双方の大将は御神木の上で、笹を振り指揮をとります。鉤引きが終われば、米作りを模した神事です。田起こし、種蒔(たねまき)、代かき、田植などがユーモラスに演じられます。
【取材・文:苦田秀雄】
中津神社に300年以上伝わる春祭り神事で、五穀豊穣、林業の発展を祈念して行われます。
上高隈町、下高隈町の地区に分かれ、それぞれ長さ約10m、幹周り1mの御神木を山から切り出し(雄鉤=おかぎ・雌鉤=めかぎ)境内に運び込みます。鉤引きは3回勝負で2勝した方の勝ちとなり、勝った地区は豊年になるといわれています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り