日本の祭りレポート
かつやまさぎちょう
ここは越の国。恐竜で世界的に有名になったところです。町なかで展開されている「勝山左義長まつり」へ。市内12か所の櫓の上で赤い長襦袢姿の若い男女が踊りながら太鼓を打つ、打つ、打つ。はじける笑顔。なんと楽しい演奏でしょう。これはきっと神様も喜ぶことでしょう。
そもそも「左義長」とは、宮中行事の打毬(だきゅう)という球技で使う杖が由来とされ、それは毬杖(ぎっちょう)とよばれるもの。由来は球技で壊れた毬杖を3本束ね、陰陽師が囃しながら焼いたことからとされています。これは小正月の行事で、全国各地で行われています。左右の露店の列に目をやりながら町内を歩けば勝山城下の下町の香りがぷんぷん。辻々で太鼓の演奏が披露され、ここはもう祭り一色。
夜8時、神社で採火された御神火が九頭竜川の河川敷に運ばれます。そこに立つのは御神体。御神火を点火。炎が夜空を焦がします。こうして歳徳神は天上に送られるのです。
[取材・文:苦田秀雄]