日本の祭りレポート
ながいくろじしまつり
黒い獅子幕を手にした若者たちと、屈強な「警護(けいこ)」が神社にやってきました。「おしっさま」に早変わり。それは拝殿で舞い、境内で舞い、出御します。その長い胴体は龍神とされ、氏子地区をまわり、頭を垂れる人々の前で思いっきり上を向いて赤い口を開け、“ガツッ”と、とてつもなく大きな音で口を閉じます。「歯打ち」です。そういうことをしながら各神社の「おしっさま」が白ツツジ公園へ三々五々。そこで共演。荒れ狂う「おしっさま」を抑える「警護」たちのカッコいいこと。彼らはめっぽう相撲が強く、堂々たる体躯をもち、人望があり、知的な男でなければならないのです。
【取材・文:苦田秀雄】
長井の獅子舞の起源は今から約千年前に遡ります。古くから人々は太平安泰を求め神を心の拠りどころとして社を建立し、五穀豊穣・無病息災を祈願してきました。今日まで、市内各地区では、春から秋にかけ黒獅子舞が伝統神事として人々により継承されてきました。この各地区の黒獅子舞が一堂に会すのが「ながい黒獅子まつり」です。