日本の祭りレポート
れいたいさいやぶさめまつり
この流鏑馬は馬が走った蹄の足跡の形で氏子地域の吉凶を占うという世にも稀なもの。それが馬蹄占(ばていうらない)。神社近くにある馬場で流鏑馬が始まりました。的(まと)は設定されているものの、弓矢はお構いなしに天に向かってピュン。馬が走り去った後、その都度占人が神妙に蹄の跡を観察して歩きます。下吉田地区に占人家は3家あり、占い方は門外不出。後日、宮司が地区の会合に出向き、住民に占いの結果を伝えます。例えば、“来年の3月までに火事がおこりそうなので、皆で気をつけましょう”などということ。住民はそれを忠実に守り、お互いが助けあって日常生活に活かすのです。生活に密着した祭りです。
【取材・文:苦田秀雄】