日本の祭りレポート
ごおうじんじゃ あきのたいさい
五王神社脇の農村舞台で人形浄瑠璃「傾城(けいせい)阿波の鳴門巡礼歌(なるとじゅんれいうた)の段」と、「襖からくり段返し千畳敷」が奉納されます。舞台は国の重要文化財に指定されている舟底楽屋と襖からくりの仕掛け。からくりは氏子7~8人が手動で132枚の襖を42の情景に変化させるものです。それは風景・花・動物・模様などで、一瞬の差し替えによる模様替え。さらに幕末に西洋から伝わった遠近法で部屋、部屋の奥行をつくり、最後は江戸城の大奥で終わります。からくり小屋はわずか幅10.24メートル、奥行き6.9メートル。それがとても大きく感じられるマジックに驚嘆。これぞ元祖テレビジョン。里人はこういう農村芝居や舞台を弁当やお酒持参で楽しんだのです。
【取材・文:苦田秀雄】
神社拝殿で五穀豊穣に感謝する式三番叟(しきさんばそう)が奉納された後、国の重要有形民俗文化財になっている犬飼の舞台にて、江戸時代からの伝統を受け継ぐ阿波人形浄瑠璃と襖(ふすま)からくりが披露されます。親子の情愛を描いた「傾城阿波の鳴門巡礼歌の段」(けいせいあわのなるとじゅんれいうたのだん)などが上演され、遠近法を巧みに利用した襖からくりの妙技が観る者を魅了します。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り