日本の祭りレポート
さたのみさきまつり
ここは九州最南端の佐多岬。祭りはその岬の最南端に鎮座する御崎神社の妹神が近津宮の姉神に新年の挨拶に行くもの。神様は道中20キロ、7つの集落をリレー。「浜下り」の行列は東シナ海の浜辺を進みます。集落に着けば地面すれすれに鉾先を下げます。外之浦では老婆たちが道端で孫や家族の写真を胸に抱いて神様をお迎え。都会に出ている家族にご利益をいただくのだとか。さらに集落の人々は「コロベ」という小さな貝を御神霊に奉納します。小さな貝なので食べるのに手間取ります。それは神様にちょっとでも長くいてほしいから。このように、それぞれの集落は独自の食べ物で神様を接待しながらバトンタッチを繰り返すのです。
【取材・文:苦田秀雄】
本土最南端の佐多岬にある御崎神社から妹神が年に一度、20キロ離れた郡近津宮神社の姉神に新年の挨拶に行くとされる御崎祭り。神様は御崎柴という植物にのり移り、海沿いの7集落を神輿で巡行。各集落で1300年前から伝承されてきたユニークなもてなしで神様をお迎えし、縁結び、五穀豊穣、大漁祈願、無病息災を願います。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り