日本の祭りレポート
走り神輿
かつてこの祭りには多くの帰郷者や観光客にあふれ、「祭りの日には島が沈む」といわれたとか。若者らは神輿を担いで全速力で島内を走ります。丘の上の八幡神社から順次八幡様、山の神様、荒神様の神輿が町に降りてゆきます。それは港まで運ばれ、本浦港に神幸。そこからが祭りのクライマックス「走り神輿」です。先ず神輿を担いで狭い路地を50メートルほど走ります。次も狭い路地100メートルで、おまけに直角の曲がり角が2ヶ所。かなりのテクニックが必要。最後は桟橋近くの広い通り200メートルほど。神輿の重さ100キロ。担ぎ手8人。走る、走る。真鍋の島を神様が走る。彼らは300年以上にわたって走り続けているのです。
【取材・文:苦田秀雄】