日本の祭りレポート
ほうようさい
「黒丸踊」は戦国時代領主の大村純伊が有馬貴純に追われて7年の流浪生活の末大村に帰郷した祝に踊られたものです。それをここ黒丸町に伝えたのが法養という浪人。祭りは11月28日の彼の命日に奉納されるものです。
命日のその日、法養堂の裏手にある法要養祀る碑に揃って手を合わせ、踊りは夕方から始まります。巨大な花輪を背にした屈強な男性4人、「大薩摩黒丸踊」と記された旗を背にした者2人、武士姿の子供8人が踊り手として出演。囃子方は鼓、三味線、笛、地太鼓の面々。演目は「小踊」「三味線踊」と披露され、60キロもの花輪を回し、大太鼓を打ちつつ場を練り歩きます。この花輪は神の依代であると考えられます。81本の小竹にそれぞれ15個の造花の梅を飾ったそれはまさに大輪の花。踊りの所作、様式は500年間ほとんど変わることなく忠実に伝承されています。
取材・文:苦田秀雄
戦国時代に領主大村純伊の領地回復を祝い踊られたという「黒丸踊り」。 大村市黒丸町で500年以上続くこの踊りを伝えたという浪人の「法」を偲んで、彼の命日11月28日にあわせ開催される祭りです。直径約5メー トル、重さ約60キロの竹で作られた大花輪を背負った男達が勇壮に舞います。
(国指定重要無形民俗文化財)
※出典:ダイドーグループ日本の祭り