日本の祭りレポート
いりおもてじまのしち
これは祖納(そない)集落の祖とされる大竹祖納堂儀佐に感謝の意をささげる祭り。それは地区の行事で最も大切なものとされ、だれもがそれを避けて通ることのできないものなのです。祭り2日目は「世乞い(ユークイ)」という中心行事。前泊の浜に向かって旗頭を先頭に、ミリク様(弥勒菩薩)、「節アンガー踊り」の婦女子たちが、頭から黒い布を被った「フダチミ」に続いて神女たちの一行が進みます。それは神々の、異次元の世界。祭りは勇壮な「棒芸」や、まるま盆山という湾の小島までの「船漕ぎ競漕」などがあり、いずれもがディープ琉球の世界。演じものには本土の正月芸能や江戸時代の風情、また大陸や東南アジアの文化までもがミックスした、ここはまさに文化の十字路。
【取材・文:苦田秀雄】
稲の収穫が終わった後の「農家の正月」にあたる神行事。新たな年の豊作と村人の無病息災を願います。海から神を迎える船漕ぎや、五穀豊穣の象徴であるミリク神行列があり、黒衣の花嫁行列「アンガー行列」や干立の奇神「オホホ」などが有名。西表島は昔から稲作が盛んで、節祭が今も生活のための行事として生きています。
※出典:ダイドーグループ日本の祭り