日本の祭りレポート
さいかいまつり
日本海に陽が沈むころ「冨木御幸太鼓」が打たれ、神輿とキリコが港町を練ります。キリコは気勢をあげて一気に坂を駆けあがり、激しく乱舞。女性がはじけます。能登の女性はとにかく元気。それは漁にでる男性にかわって女性の仕事が目白押し。さらにこの祭りにはよそとはちょっと違った特徴が。それは女性だけで担ぐ “女キリコ”と衣装です。女性は腰巻、浴衣にタスキ、エプロン掛けでワラジ履きといういでたち。一方、男性はワイシャツにネクタイ、チョッキにゲートルそしてワラジ。ユニークです。一説によれば、仕事が忙しすぎて着替える時間がなかったところからそういったコスチュームになったのだとか。
【取材・文:苦田秀雄】
大漁と航海安全の祈願祭。起源は江戸時代、出漁や航海で不在がちな男性に代わり女性も浴衣に腰巻、白い前掛け姿でキリコを担いだのが始まり。神輿とキリコが祭り唄を唄いながら地区を練り歩きます。宮入では祭りを終わらせないよう、キリコが神輿の拝殿入りを阻止・邪魔して何度も跳ね返し、境内は熱気の渦に包まれます。