日本の祭りレポート
ぐじょうはちまんはるまつり
郡上は心が安らぐ町。街並みはしっとり。陽も落ち、目に飛び込んできたのは不思議な光景。路地を進む祭りの行列、太神楽の「道ゆき」です。獅子とたわむれる童は朝鮮通信使の唐子装束。金色の輝く豪華にして瀟洒な神楽堂は太鼓を備え、その囃子にのっておかめとひょっとこが絡みあい、岩戸舞あり、あちこちの芸能がまざりあった、さすがここは交通の要衝。家人が玄関口で一心に祈ります。これは岸劔(きしつるぎ)神社、日吉神社、八幡神社3社が同時に行う祭り。八幡神社の太神楽には大名行列の奴踊りがつき、独特の動作で進みます。翌朝そんな「道ゆき」に付きつ離れつ桜吹雪を浴びながら3社を巡るのは至福の限り。
【取材・文:苦田秀雄】
郡上八幡の三大神社である「岸劔神社」「日吉神社」「八幡神社」の大神楽が城下町を巡り、春の訪れを告げる祭りです。いずれも岐阜県重要無形民俗文化財に指定されています。街中に子どもたちの氏子による囃子の笛や太鼓の音が響きわたります。