日本の祭りレポート
おふだまき
横浜市戸塚は旧東海道の宿場町。行き交う芸能・演芸などもさぞ多かったのでしょう、戸塚八坂神社(別名お天王さま)の例大祭には、江戸時代中期から、子どもがコレラなどの疫病にかからないよう、踊り手たちが音頭を歌い上げながら街中を練り歩き神札をまく厄除け行事「お札まき」が根づきました。母親達が託した着物に身をつつみ派手な化粧をした氏子男性十数人が渋うちわを片手に囃します。「さあ来い子ども!てんのうさまは泣く子が嫌い、喧嘩も嫌い、囃すのが大好きで、わいわいと囃せ…ここいらでまこうか、赤青黄色、色々混ぜて、油断をすると、お札を拾えぬぞ(護符をまく) … 」お札を手にしようと群がるこどもたちの笑顔、笑顔、笑顔。祭りに一所懸命な大人がいる町は、子ども達が幸せな町です。
[取材・文:加藤正明]